
軽い気持ちで行った撮影行為でも、他人の性的姿態を撮影することは立派な犯罪行為となり得ます。
本記事では、撮影行為が盗撮として犯罪捜査の対象となるケースや、注意すべきポイントについて、弁護士の視点から分かりやすく整理します。
この記事を読んでわかること
・撮影行為が盗撮として扱われる場合に重視される要素が分かる
・盗撮を疑われやすい状況を理解できる
・判断を誤らないために知っておくべき初動対応と考え方が整理できる
・不安を感じたときに取るべき行動と相談のタイミングが分かる
撮影行為が「盗撮」として捜査の対象となる場合とは?

盗撮行為は、性的姿態撮影等処罰法の撮影罪や軽犯罪法といった法律や都道府県の条例によって処罰の対象となります。撮影行為がこれらの法律や条令に違反するものとして犯罪捜査の対象となるかどうかは、行為の内容や状況によって判断されます。軽い行為のつもりでも、法律上は処罰の対象となる場合があります。ここでは、盗撮にあたるかどうかの判断にあたり、どのような点が重視されるのかを整理します。
1-1. 撮影行為が「盗撮」にあたるかどうかの考え方
東京都の条例では、「盗撮」を、「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」と定義しています。
撮影行為がこのような犯罪行為にあたるかどうかは、本人の感覚ではなく客観的に判断されます。捜査や裁判では、撮影対象が誰か、どの部位をどのように撮影したか、意図的な行為があったかといった点から総合的に判断されます。
1-2. 本人の意図より重視される点
盗撮事件では、自分に悪意がなかったという主張がそのまま通るとは限りません。捜査や判断の場面では、行為の意図よりも客観的な状況が重視される傾向があります。例えば、カメラの向きや撮影角度、撮影した画像の内容などから、意図的な撮影と判断されることがあります。本人の説明と客観的証拠が食い違う場合、説明が信用されにくくなる点には注意が必要です。
1-3. 刑事事件として扱われる流れ
盗撮が疑われる場合、まず事実確認が行われ、その後に刑事事件として扱うかどうかが判断されます。この段階で重要なのは、どの時点で警察が介入するかという点です。現場で発覚するケースもあれば、後日被害届が出されることもあります。いずれの場合でも、状況によっては捜査が進み、刑事手続に移行する可能性があります。初期段階の対応が、その後の流れに影響します。
田中代表弁護士撮影行為が盗撮にあたるどうかは、本人の感覚ではなく客観的な事実関係から判断されます。盗撮を疑われやすい行為について理解することで、不必要な不安を減らし、冷静な対応が可能になります。まずは判断の軸を知ることが重要です。
盗撮を疑われやすい状況とは?


盗撮かどうかの判断は、撮影の対象や方法、場所など複数の要素を踏まえて行われます。本人の意図に関わらず、周囲の状況や客観的な見え方が重視される点に注意が必要です。
2-1. 盗撮と判断されやすい撮影対象
盗撮にあたるかどうかの判断にあたっては、撮影した対象が大きく影響します。特に、身体の特定部位や衣服の内側が写っている場合、盗撮として扱われやすくなります。本人が意識していなかったとしても、画像の内容そのものが問題視されることがあります。撮影対象が誰で、どのような状態だったかは、後から重要な判断材料となるため軽視できません。
2-2. 場所や状況が与える影響
撮影が行われた場所や状況も、盗撮かどうかを判断する際には重要な要素となります。公共の場所であっても、人のプライバシーが強く保護される場面では問題になりやすくなります。混雑した場所や人目につきにくい環境での撮影は、意図的と受け取られる可能性が高まります。場所と状況は常にセットで判断されます。
2-3. 偶然撮影との違い
偶然写り込んだ場合と、盗撮と判断される場合には明確な違いがあります。連続して同じ対象を撮影している、特定の角度にカメラを向け続けているなどの事情があると、偶然とは評価されにくくなります。本人の説明だけでなく、撮影データや周囲の状況が総合的に見られる点が特徴です。



盗撮を疑われやすい行為には共通する特徴があります。撮影対象や場所、方法といった要素が重なることで評価は大きく変わります。偶然か意図的かの違いを整理することが、判断を誤らないためのポイントになります。
盗撮が事件化する場合の一般的な流れ


盗撮事件は現場での発覚だけでなく、後日になって被害届が提出されることもあります。発覚後は警察対応が始まり、段階的に手続が進むため、その流れを知っておくことが重要です。
3-1. 現場で発覚するケース
盗撮事件の中には、現場で発覚するケースがあります。被害者や周囲の人がその場で気づき、取り押さえられたり、警察に通報されたりすることも少なくありません。この場合、その場の対応や説明が後の判断に影響することがあります。動揺して不適切な対応をしてしまうと、状況が不利に進む可能性もあるため、冷静さが重要です。
3-2. 後日通報されるケース
盗撮は、後日になってから発覚するケースもあります。防犯カメラの映像が見つかったり、被害届が提出されたりすることで、警察が動き出します。この場合、本人が気づかないうちに捜査が進んでいることもあります。突然警察から連絡が来るため、心の準備ができていない方が多いのが特徴です。
3-3. 発覚後
盗撮が発覚すると、事情聴取や任意同行などの対応が行われることがあります。その後、在宅捜査や書類送検といった手続が進む場合もあります。どの段階にいるのかを正しく理解することが、適切な対応につながります。流れを知らずに対応すると、不安だけが大きくなりがちです。



盗撮事件は現場だけでなく、後日になって発覚するケースもあります。発覚後は段階的に手続が進むため、流れを把握しておくことで過度な不安を防げます。今どの段階にいるのかを知ることが重要です。
盗撮事件において重視されるポイント


警察は証拠の有無や撮影状況、過去の経緯などを総合的に見て判断します。どのような点が問題視されやすいのかを理解することで、不要な誤解やリスクを避けることにつながります。
4-1. 重視される証拠の内容
盗撮事件において捜査機関が重視するのは、本人の説明よりも客観的な証拠です。具体的には、撮影された画像や動画の内容、保存されているデータの状態、撮影された日時や場所などが細かく確認されます。特に、撮影対象が明確に特定できるか、特定の部位を狙った構図になっているかといった点は重要な判断材料になります。本人が偶然だと説明しても、証拠の内容から意図性が読み取れる場合、その説明は通りにくくなります。証拠の評価次第で事件の扱いが大きく変わるため、軽視はできません。
4-2. 行為の継続性や過去の経緯
警察は盗撮行為が一度きりなのか、それとも繰り返されているのかという点にも注目します。端末内に同様の画像や動画が複数保存されている場合や、過去にも似た行為が確認される場合には、常習性が疑われる可能性があります。また、過去に注意や指導を受けた経験があるかどうかも判断に影響します。本人としては深く考えていなかったとしても、経緯の積み重ねによって評価が変わることがあります。行為の流れを整理せずに対応すると、不利な見方をされるおそれがあります。
判断に迷った段階で相談する重要性


5-1. 判断を先延ばしにするリスク
自首は犯罪事実及び犯人が捜査機関に発覚してからではできません。また,被害者との示談の成立は処分の前でなければ,処分の決定にあたって考慮してもらうことはできません。何をしていいか分からないまま時間が経過すると、取れる対応の選択肢が徐々に狭まっていきます。
5-2. 専門家に相談する意義
専門家に相談することで、今の状況がどの段階にあるのかを客観的に整理できます。不安や恐怖を抱えたままでは、冷静な判断が難しくなります。第三者の視点を入れることで、取るべき行動と避けるべき行動が明確になり、過度な不安から解放されることもあります。早めの相談が、結果的に負担を軽減することにつながります。



判断に迷ったまま時間が経過すると、取れる選択肢は限られていきます。不安なときは,専門家へのご相談をお勧めします。
【比較】刑事事件として扱われるケースとそれ以外のケース
撮影行為が刑事事件として扱われる場合と、そうでない場合には次のような違いがあります。
| 項目 | 刑事事件として扱われるケース | 刑事事件になりにくいケース |
|---|---|---|
| 撮影の対象 | 特定の人物や身体の一部を明確に狙って撮影している | 風景や全体像を撮影した結果として人物が写り込んでいる |
| 撮影の意図 | 構図や角度から意図的な撮影と判断される | 偶発的な写り込みと評価されやすい |
| 撮影の方法 | 不自然な角度や継続的な撮影が確認される | 一時的で継続性が見られない |
| 証拠の内容 | 画像や動画から対象や部位が明確に確認できる | 証拠から意図性が読み取りにくい |
| 警察の対応 | 事情聴取や任意同行など刑事手続が進む | 注意や事実確認で終わることがある |
| 将来への影響 | 処分内容によって前科や記録が残る可能性がある | 刑事上の影響が生じない |
| 対応の重要性 | 初動対応を誤ると不利な評価につながる | 冷静な対応で問題化を防げる場合がある |



盗撮として問題になる場合と、そうでない場合には明確な違いがあります。比較することで自分の状況を客観的に把握できます。どちらに近いかを知ることが、次の行動を考える手がかりになります。
【実践】盗撮が疑われたときの実践ステップ
盗撮が問題になりそうな状況では、段階ごとに取るべき行動があります。混乱しやすい場面でも判断を誤らないよう、実際の流れに沿って整理します。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 行為の内容を整理 | どのような対象を、どのような状況で撮影したのかを冷静に整理できているかを確認します。感情的な判断ではなく、客観的な事実を把握することが重要です。 |
| ② 警察対応の状況確認 | 警察からどのような連絡があり、現在どの段階にいるのかを把握できているかを確認します。段階によって取るべき対応は変わります。 |
| ③ 不用意な行動の回避 | 焦って説明しすぎたり、証拠を処分したりしていないかを振り返ります。後から不利になる行動を取っていないかが重要です。 |
| ④ 相談の必要性判断 | 自己判断だけで進めていないかを確認します。不安や疑問が残る場合は、専門家の視点を入れることが有効です。 |



盗撮が疑われた場合は、段階ごとに取るべき行動があります。順序を意識して対応することで、判断を誤りにくくなります。実践ステップを知ることは、落ち着いた行動につながります。
【まとめ】盗撮はどこから犯罪になるのかのまとめ


盗撮が刑事事件になるかどうかは、本人の感覚ではなく、行為の内容や状況をもとに客観的に判断されます。どこから犯罪になるのかを理解せずにいると、不安や誤解から判断を誤ることもあります。本記事では、判断基準や発覚後の流れ、注意点を整理しました。重要なのは、今の状況を正しく把握し、感情だけで動かないことです。判断に迷った段階で立ち止まり、冷静に情報を整理することが、結果的に不利を避ける行動につながります。
盗撮に該当するのか分からず、不安を抱えたまま一人で判断していませんか。状況を整理するだけでも、次に取るべき行動が見えてくることがあります。早めに確認することが安心への近道です。
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